2009年以降、がん患者様の平均年齢は徐々に高くなり、2015年の平均年齢は68.5歳で、75歳以上では全がん患者様の約37%に達し、社会の高齢化にともない年々ご高齢のがん患者様が増加傾向にあります。一般に、年齢が高くなるほどがんの罹患率は高くなり、特に85歳以上では、がんが進行してから見つかることも多いです。
人間には、実年齢(暦年齢)と、体力的な年齢の二つの年齢があります。人間の加齢には個人差がありますが、ご高齢者へのがん治療の場合、主に実年齢ではなく体力的な年齢を加味して治療方針が決められることが少なくありません。そのため、たとえ50代~60代の高齢者のイメージがない方でも、体力的な年齢に不安があれば、身体への負担が大きい治療法は見送られることもあります。
例えば、早期の大腸がんでは、「治療なし」の割合は年齢とともに上がり、75~84歳は約5%、85歳以上では約18%、85歳以上で進行した大腸がんでは約36%といわれています。また、胃がんでIV期の85歳以上の方の「治療なし」の割合は約56%といわれています。※
ご高齢者へのがん治療は、年齢が高くなるほど積極的な治療を控える傾向があり、治療自体の負担や治療に伴う大きな副作用に耐えられる体力的な年齢があると認められなければ、たとえご本人が治療を望んだとしても、「治療法はない」といわれてしまうことも少なくありません。
※国立がん研究センター「高齢者のがん治療方法」についての統計、国立がん研究センターがん情報サービス「年齢・全身状態別余命データ」より
当クリニックでは、副作用が少なく、病変部へ放射線をより集中的に照射することが可能な高精度放射線治療を行っております。進行がんや再発・転移がん、また、体力にご不安を感じているご高齢者の方へも、高精度な放射線治療により可能な限りの治療を行っています。
初診から最短1週間で治療を開始し、1回の治療も受付からお帰りまで30分程度と普段の生活を大きく変えることなく、QOL(生活の質)を保ちながら治療を続けることができます。待ち時間を極力少なくすることはもちろん、できる限り患者様がリラックスして治療を受けてもらえるような体制・環境を整備しています。
治療前
12ヵ月後