がん治療に利用されている放射線は、大きく分けて光子線と粒子線の2つがあります。光子線とは、光の仲間で波長の短い高エネルギー電磁波の一種です。そのうちX線やガンマ線などが放射線治療に利用されています。当クリニックで行っている高精度放射線治療は、X線を使用した放射線治療です。
一方、水素の原子核(陽子)や炭素の原子核などの粒子を光速に加速した放射線(陽子線、重イオン線)を粒子線といい、粒子線を利用した放射線治療を「粒子線治療(陽子線治療・重粒子線治療)」といいます。
<左図のX線の線量分布をコンピュター上において色で表した場合>
相対線量100%に近いほど赤で表され、高い線量を意味します。
一方で、0%に近づくほど低い線量となり、青で表されます。
X線は身体の深部になるほど線量は弱くなりますが、実際のX線治療においては多方向から放射線を当てることで正常組織への線量を最小限に抑えつつ、がんに対する線量の集中性を高めています。
当クリニックでも、特に高精度放射線治療では多方向(5門以上を使用)からの治療を実施しています。多方向から放射線を当てる理由は下図をご覧ください.
実際の治療計画の様子
放射線を当てる方向を増やしていく毎に、赤く表示された高い線量がピンポイントになっていくとがわかります(1 - 7方向)。つまり放射線治療装置の角度を変えて多方向から照射することで、周囲にある正常細胞に当たる線量を最小限に抑え、かつ、がん腫瘍に対しては多くの線量を当てることができます。高精度放射線治療のSBRTでは寝台(右図)も動かすことで、ピンポイントに高い線量の放射線が当たるようになっています。
部位や治療方法によって、最適な門数(回数)と方向から照射して治療を行います。
ある深さにおいて最も強く作用し(ブラッグピーク)、また一定の深さ以上には進まないという特性があります。そのため陽子線や重粒子線はがんに線量を集中させるという点において優れているといえます。
※当クリニックは、X線を利用した高精度放射線治療専門クリニックのため、粒子線治療に関する詳しい説明につきましては、粒子線治療施設のホームページなどでご確認ください。
ほとんどが保険適用となっており、例えば前立腺がんの治療ケースで3割負担の場合、自己負担額はおよそ45万円、1割負担の場合で約15万円です。さらに高額療養費制度を利用すれば、それ以下の自己負担額になります。
ただし、SBRT(体幹部定位放射線治療)では保険適用範囲が限られています。詳細はクリニックに直接お問合せください。