年々増加傾向にある前立腺がん。早期治療が大切
年々増加傾向にある前立腺がん。日本のがん統計では、男性のがん罹患数で胃がん・肺がん・大腸がんに次いで4番目に多く、死亡数では6番目に多いがんです。60歳以上の患者数は、2000年~2010年にかけておよそ3倍に増加※し、2020年には男性のがん罹患数で2番目に多くなるとも言われています。
検診の普及により、前立腺に限局した(他の臓器等に転移がない状態)早期前立腺がんの症例が年々増加傾向となっています。
前立腺がんは特に高齢者に多いがんの一つで、進行が遅く初期症状がほとんどないことが特徴です。
しかし、ステージIVまで進行してしまった前立腺がんの場合、生存率は50%程度にまで激減※するため、早期発見、早期治療が重要です。
※国立がん研究センターがん情報サービス 最新がん統計より
当クリニックの治療の特長
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様々な段階の前立腺がんに対する治療法をご提案
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がんと診断されたら、誰しも一刻も早く適切な治療を開始したいと思うのが当然だと思います。迅速に治療をスタートすることは、QOL(生活の質)の向上にもつながります。当クリニックでは初回診察から治療開始まで1週間程度となっており、患者様を極力お待たせしない体制を整えております。
当クリニックへは、最寄りの国際展示場駅から平らな道を歩いて約5分でお越しになれます。1回の治療時間は受付からお帰りまで30分程度、通院で治療が可能なため、患者様の精神的・肉体的負担が少ないことが特徴です。前立腺がんのIMRTの治療期間は約6~8週間です。
放射線治療では、切らずにがんを治療することができるため、治療後の生活の質(Quality of Life、QOL)を高く保てることが特長の一つです。前立腺がんの場合であれば、性機能が妨げられる可能性や、尿失禁などのリスクを抑えることができます。
当クリニックでは前立腺がんに対し、高精度放射線治療の一つ「強度変調放射線治療(IMRT)」と、放射線の位置精度を高める「IGRT (画像誘導放射線治療)」とを駆使して治療を行っております。
IMRTは、多方向から放射線をがんに照射するときに、ぞれぞれの方向からの放射線量を変化(放射線の強さに強弱をつける)させます。放射線の量を変化させることで、がんの形が不整形で複雑な場合や腫瘍の近くに正常組織が隣接している場合でも、多くの放射線をがんに当てることが可能です。
さらにIGRT (画像誘導放射線治療)の技術により放射線をあてる位置の精度を高めることで、周囲の正常組織に当たる放射線の量を最小限に抑えながら、治療を行うことが可能です。
前立腺がんでは、がんが前立腺周囲や精嚢へ広がっている場合にも治療を行うことができ、副作用が起こる割合も低いです。
治療期間中の副作用として、尿の回数が多くなることや尿が出にくくなることがありますが、これらの症状は放射線治療が終了して数週間すれば元に戻ります。
IMRTの前立腺がんへの照射例
前立腺(黄色の部分)に線量が集中しており、直腸側の線量が軽減されていることが分かります。
※左図は比較的強い放射線のあるところのみカラースケールで表示しています。周辺臓器に全く放射線があたらないわけではありません。
当クリニックでは、平成20年4月の開院以来、高精度放射線治療の専門クリニックとして、2,000例を超える実績を積み重ねています。IMRTにおいても1,000例以上※の治療実績をほこり、前立腺がんにおいてはその中の6割以上を占めています。
※2019年10月時点、IM-SBRT含む
部位別治療実績(2008年~2019年10月)
IMRTによる前立腺がんの治療成績
※※ リスク分類 ※※
※※ 障害グレード分類 ※※
当クリニックでは、前立腺内にとどまっている前立腺がん(ほかに転移がない状態)に対して、IMRT(強度変調放射線治療)による治療を保険適用※にて行っております。
当クリニックのIMRTによる治療は、副作用が少なく、早期に治療が開始でき(最短1週間)、入院不要なため普段の生活を変えることなく、治療を行うことが可能です。また、前立腺がんから転移した「肺」「骨」「リンパ節」など、転移がんに対しても自由診療にて治療が可能です。
※がんが限局(他の部位に転移がない)している場合に限ります。
前立腺がんは骨やリンパ節に転移しやすいがんです。保険診療で行なえるIMRTによる前立腺がん治療は、がんが前立腺内にとどまっており、他に転移がない場合に限られています。そのため、1つでも転移があればIMRTを保険診療でできなくなり、一般的にはホルモン治療か従来の放射線治療を勧められることになります。
当クリニックでは、原発巣(前立腺)に対する治療として、局所制御率が高く、副作用の少ないIMRTを自由診療にてご提案しています。
当クリニックの「転移がある場合の原発巣」に対する治療の考え方
原発巣(前立腺)を制御することにより、がんを減量することが可能です。前立腺部分に発生する症状(頻尿や男性機能障害など)が軽減され、QOL(生活の質)向上が期待できます。
当クリニックでは、手術後の再発予防、術後再発に対して、保険診療でIMRTによる治療を行っています。前立腺がん全摘出手術後に残存部における再発予防を目的として、前立腺床(前立腺があった場所)に対する放射線照射が必要な場合があります。
また、術後にPSA上昇が認められ、その原因が前立腺摘出部からの再発と考えられる場合も、同部位への放射線治療が有用と考えられています。