副作用の少ない高精度放射線治療
進行がんでは、手術、抗がん剤、放射線治療が適応になりますが、「からだへの負担を極力少なくしたい」「出来る範囲内で日々を楽しみながらがん治療を受けたい」といった患者様に応えられるような治療法を提案します。
一般に放射線治療による治療効果は、腫瘍に当てられる放射線量に左右されます。高精度放射線治療であるIMRT(強度変調放射線治療)やSBRT(体幹部定位放射線治療)では、がんにピンポイントで放射線を照射することにより、副作用を少なく治療をすることが可能です。これらに保険診療が適用となったこともあり、進行期のがんにも光明が見いだせるようになりました。
IMRTは、腫瘍の形に合わせて放射線を当てることや、放射線を当てる量を自在に調整することが可能です。また、SBRTは3次元的な多方向から放射線を当てることによって、腫瘍にピンポイントで多くの放射線を当てることができます。 したがって、がんには多くの放射線を当て治療すると同時に、がんの周りの正常組織に対する副作用を軽減することが可能となりました。 進行期の肺がんや頭頚部がんの患者様であっても、放射線を腫瘍部分に集中的に当てることができ、「大きい腫瘍でもう治療法がない」とお悩みの方や、腫瘍の数が多い場合でも治療が可能なケースが多くあります。
また、放射線の治療効果を高める為に、増感剤を用いた治療も行っております。免疫治療との併用が効果的と思われる場合は、連携病院で治療の提案も行っています。 患者様の病状やご希望に応えられるよう、選択肢を提案させていただきますので、まずはお気軽にご相談ください。
増感剤注入後腫瘍内に酸素が見える(写真3)。14ヵ月後腫瘍は内側にわずか認められる(写真4)