X線の特性

MENU

放射線の種類

がん治療に利用されている放射線は、大きく分けて光子線と粒子線の2つがあります。光子線とは、光の仲間で波長の短い高エネルギー電磁波の一種です。そのうちX線やガンマ線などが放射線治療に利用されています。当クリニックで行っている高精度放射線治療は、X線を使用した放射線治療です。

一方、水素の原子核(陽子)や炭素の原子核などの粒子を光速に加速した放射線(陽子線、重イオン線)を粒子線といい、粒子線を利用した放射線治療を「粒子線治療(陽子線治療・重粒子線治療)」といいます。

各種放射線の物理的特性 相対線量 体の表面からの深さ X線治療
高精度放射線治療 X線 電子線 陽子線 重粒子線 ガンマ線 がん病巣 各種放射線の物理的特性 相対線量 体の表面からの深さ X線治療
高精度放射線治療 X線 電子線 陽子線 重粒子線 ガンマ線 がん病巣

線量の集中性

治療に使われる主な放射線の種類 高精度放射線治療X線治療の中でも効率的にがん細胞を照射することができます。 放射線療法 光子線 粒子線 エックス線 ガンマ線 陽子線 重粒子線(炭素イオン線)

<左図のX線の線量分布をコンピュター上において色で表した場合>
相対線量100%に近いほど赤で表され、高い線量を意味します。
一方で、0%に近づくほど低い線量となり、青で表されます。

X線治療

X線は身体の深部になるほど線量は弱くなりますが、実際のX線治療においては多方向から放射線を当てることで正常組織への線量を最小限に抑えつつ、がんに対する線量の集中性を高めています。

さらに、高精度放射線治療であるIMRT(右図)では、放射線の強度を変えることができるため、より複雑な線量分布を作ることが可能です。

IMRTについての詳細はコチラ

当クリニックでも、特に高精度放射線治療では多方向(5門以上を使用)からの治療を実施しています。多方向から放射線を当てる理由は下図をご覧ください.

実際の治療計画の様子

実際の治療計画の様子

X治療の照射方法

X治療の照射方法 線量分布

放射線を当てる方向を増やしていく毎に、赤く表示された高い線量がピンポイントになっていくとがわかります(1 - 7方向)。つまり放射線治療装置の角度を変えて多方向から照射することで、周囲にある正常細胞に当たる線量を最小限に抑え、かつ、がん腫瘍に対しては最大限の線量を当てることができます。高精度放射線治療のSBRTでは寝台(右図)も動かすことで、よりピンポイントに高い線量の放射線が当たるようになっています。

SBRTについての詳細はコチラ

部位や治療方法によって、最適な門数(回数)と方向から照射して治療を行います。

粒子線治療

ある深さにおいて最も強く作用し(ブラッグピーク)、また一定の深さ以上には進まないという特性があります。そのため陽子線や重粒子線はがんに線量を集中させるという点において優れているといえます。

※当クリニックは、X線を利用した高精度放射線治療専門クリニックのため、粒子線治療に関する詳しい説明につきましては、粒子線治療施設のホームページなどでご確認ください。

施設数・歴史

X線治療

X線は1895年に発見されて以来、100年以上の歴史があり、現代医療の診断や治療に広く活用されています。
IMRTは、日本で2000年秋頃に臨床導入されました。当時、全国の7施設で開始されましたが、2008年に頭頸部がんや前立腺がん、脳腫瘍におけるIMRTが保険適用となり、IMRT実施医療施設は劇的に増加しました。
現在では全国で100を超える施設がIMRTを実施しており、豊富な治療実績を有しています。

(※強度変調放射線治療における物理・技術的ガイドライン 2011より)

粒子線治療

日本では(独)放射線医学総合研究所が1979年に陽子線治療を、1994年に重粒子線治療に関する臨床研究を開始。
現在、日本に13か所(重粒子線:4か所/陽子線:10か所 うち1ヵ所はいずれも対応)の粒子線がん治療施設があります。
登録患者数は年々増加傾向にあり、H26年度までの合計で26,258人となっています。

(※公益財団法人 医用原子力技術研究振興財団のホームページより)

費用(保険適用の有無)

X線治療

ほとんどが保険適用となっており、例えば前立腺がんの治療ケースで3割負担の場合、自己負担額はおよそ45万円、1割負担の場合で約15万円です。さらに高額療養費制度を利用すれば、それ以下の自己負担額になります。
ただし、SBRT(体幹部定位放射線治療)では保険適用範囲が限られています。詳細はクリニックに直接お問合せください。

粒子線治療

治療にかかる費用は保険適用外のため、およそ288万(陽子線)~314万円(重粒子線)が全額患者様の自己負担となります。
ただし、診察や検査などにかかる費用については公的医療保険が適用となります。

<比較表>
この表は横にスライドしてご覧ください
従来のX線治療 高精度放射線治療
IMRT/SBRTなど
粒子線治療
陽子線/重粒子線など
線量の集中性 低い 高い 高い
不整形な腫瘍への照射
(複雑な線量分布の形成)
困難 可能
(IMRTページ参照)
可能
保険 多くのがんに適用 IMRT:多くのがんに適用
SBRT:適用範囲が限定可能
2016年4月より
ごく一部のがんにのみ適用
費用(患者負担額) 前立腺で多門照射の場合
保険1割負担:約7万
保険3割負担:約20万円
(高額療養費制度を利用すれば、さらに安くなるケースがあります)
前立腺の場合
保険1割負担:約15万円
保険3割負担:約45万円
(高額療養費制度を利用すれば、さらに安くなるケースがあります)
陽子線治療:約288万円
重粒子線治療:約314万円
(ごく一部のがんを除き、全額自己負担となります)
日本で治療可能な施設数 700施設以上 100施設以上 陽子線:10施設
重粒子線:4施設
(2014年6月現在)
治療実績・歴史など 1895年に
X線が発見されて以来、
100年以上の歴史あり
近年の照射技術の発展により可能となった治療法。日本では2000年秋頃にIMRT臨床導入。2008年に多くのがんで保険適用となり、全国的に普及。 日本では(独)放射線医学総合研究所が1979年に陽子線治療、1994年に重粒子線治療に関する臨床研究を開始。