IMRT(強度変調放射線治療)

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IMRT(強度変調放射線治療)とは

放射線に強弱をつけ、がんのみを集中照射

従来の放射線治療は一定方向から均一の放射線を照射するため、がんが不整形で複雑であったり、がんの近くに正常組織が隣接している場合には、周囲の正常組織や臓器へも多くの放射線が当たってしまい、がんへ十分な放射線を当てることが困難でした。

対してIMRT(強度変調放射線治療)は、色々な方向から放射線を腫瘍に当てるときに、ぞれぞれの方向からの放射線の量を変化(放射線の強さに強弱をつける)させます。 放射線の量を変化させることで、腫瘍の形が不整形で複雑な場合や腫瘍の近くに正常組織が隣接している場合でも、多くの放射線を腫瘍に当てることが可能です。 つまり、周囲の正常組織に当たる放射線の量を最小限に抑えながら、がん治療を行うことができます。

一般的な3次元原体照射(3D-CRT)

一般的な放射線治療では、がん以外にも多くの放射線が当たってしまう(図 赤囲部分)

高精度放射線治療 IMRT

IMRTでは、がんの形に合わせて正常組織に当たる放射線の量を最小限に抑えながら、がんへ多くの放射線を当てることができる

※上の図は比較的強い放射線のあるところのみカラースケールで表示しています。周辺機器に全く放射線があたらないわけではありません。

放射線治療が困難であったがんにも有効。
大多数のがんに保険適用による治療が可能※

従来の放射線療法では、前立腺がん、頭頸部がん、脳腫瘍の領域において、正常組織にも多くの放射線が当たってしまうことから、がん部分に多くの放射線を照射することが困難でした。 しかし、IMRTにより正常細胞を傷つけずにがんに集中して放射線を照射することが可能になりました。

また、平成22年4月に健康保険の適用が「限局性固形悪性腫瘍」へ拡大され、大多数のがんに対する根治照射を保険診療で行うことが可能です。

写真2

強弱をつけた放射線を多方向から組み合わせることで理想的な線量分布をつくることが可能(赤い部分が高い線量)

※がんが限局している場合に限ります。
※病状やがん種によっては、IMRTの適応が困難な場合があります。まずはご相談ください。

同時に異なる量の放射線を照射する、SIB法

病巣に対して同時に異なる量の放射線を当てることが可能です。それはSimultaneous Integrated Boost(SIB)という照射法です。例えば、病巣の本体に強く放射線を当て、その周囲に柔らかく当てることが自由に行えます。特に浸潤性腫瘍において有効であるとされています。

前立腺がんでは、手術と同等の効果
1回30分で通院治療も可能(保険適用)

IMRT(強度変調放射線治療)により、手術では治療困難な前立腺周囲や精嚢へ広がっている場合にも治療を行うことができます。
特に前立腺がんへの治療の効果は手術と同等と考えられており、副作用のリスクも低いです。身体を傷つけることなく切らずに治療を行うことで、性機能や尿失禁などの機能障害リスクを抑え、治療後の生活の質(Quality of Life、QOL)を高く保てる可能性があります。

また、1回の治療時間も受付からお帰りまでわずか30分程度と短く、通院だけで治療が可能なため、患者さんの精神的・肉体的負担が少なく、お仕事帰りに治療を受けることなど、生活を保ちながら治療を行うことも可能です。治療期間も前立腺がんの場合は、約7~8週間ほどになります。

■図1:外科療法とIMRT(高精度放射線治療)比較表 ※前立腺がん治療の場合
この表は横にスライドしてご覧ください
開腹手術 腹腔鏡下手術 ダ・ヴィンチ
(ロボット)手術
IMRT
(高精度放射線治療)
施術時間 平均5時間 平均5時間 3-4時間 平均15分
(1回の治療につき)
入院期間
(社会復帰)
約3週間
(術前・術後含む)
約3週間
(術前・術後含む)
約1週間
(術前・術後含む)
入院不要
(通勤しながら治療が可能)
施術後の尿失禁 リスク有 リスク有 リスク有 ほぼ無
施術後の
勃起機能障害
リスク有 リスク有 リスク有 リスク低
痛みケアへの応用

>>当クリニックの前立腺がん治療について、詳しくはこちら

厚生労働省が定める施設基準を満たした、専門的な人員・設備が必要

IMRT(強度変調放射線治療)の施行に際しては、厚生労働省保険局が定める施設基準(専門担当医の配置、設備の設置・管理等)を満たすことが必要です。
当クリニックではIMRTを有効かつ安全に実施するために、施設基準を遵守の上、治療を行っています。

■厚生労働省保険局医療課長通知(保医発第0305003 号平成20 年3 月5 日)
※掲載ページ:P64 第83の2

治療の流れ

1.医療相談・初回診察

医師が患者さんの状態・ご要望をしっかりとお伺いし、治療について丁寧にご説明した上で治療方法を決定します。

2.治療計画用CT撮影(初回診察の当日、または後日)

患者さんが放射線治療を受けるための治療計画用CT撮影を行います。
治療計画用CT撮影を行うときに、患者さんが放射線治療を受けている際に身体が動かないようにするための固定具(シェル)を作成します【写真1】。

写真1写真1
正確な放射線治療を受けていただくために、治療する部位や体に合った固定具の作成を行います。時間は15分程度です。

↓

皮膚には位置合わせ用の印を付けさせて頂きます。なお、治療期間中はこの印は消さないようにお願い致します。また、皮膚の印は治療終了後に自然に消えるため、印が残るようなことはありませんので、ご安心ください【写真2】。

写真2写真2
お腹とお腹の横(側面)に写真のような十字の印を付けさせて頂きます。

↓

作成した患者さん本人専用の固定具を付けた状態で、CT撮影をします。

3.治療計画の作成(1日~6日)

放射線腫瘍医、診療放射線技師、医学物理士が専用のコンピュータを用いて治療の計画を立て、その患者さんに最もよい治療計画を作成し、治療が問題なく行えるかの検証を行います【写真3,4】。

写真3

写真3

写真4

写真4

4.放射線治療開始

CT撮影を行った日から約2~7日後、放射線治療を開始します。

・実際の治療時間は、約15分です(IGRTにて位置合わせ後、治療部位に放射線をあてます)。
・治療期間は7~8週となります。

5.経過観察

治療終了後は経過観察となります。定期的に当院を受診していただきます。

  • 納得できる治療法をお探しの方へ 当院では、がんと診断された方や治療中で新たな治療法をお探しの方に向けて、相談外来を開設しています。 こんな方は、是非ご相談を ■QOL(生活の質)を向上したい方 ■治療法がないと言われた方 ■化学療法の副作用がつらい方 ■長期間の入院が難しい方 ■見た目や臓器の機能を損ないたくない方 がん治療相談外来へ
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