手術と迷われている方

手術と放射線治療、違いを知って最善の選択を

手術手術療法は、原則としてがんの主病巣と所属のリンパ節を取り去ります。がんの塊を一気に取り除くことができること、検査ではわからないごく小さな転移(微小転移)がなければ完治の可能性が高いことがメリットです。
しかし、術後の回復にある程度時間が掛かることや、腫瘍部位を切除することによって生体機能や見た目が損なわれたり、術後障害(感染症等)などによってQOL(生活の質)が低下したりといったデメリットもあります。
また、高齢者や長い治療生活で体力が低下してしまった場合では、手術を受けること自体が難しくなることがあります。

リニアック対して放射線治療とは、放射線をがん病巣に照射し、細胞が分裂して増えるのを止める作用により、がん細胞を破壊してがんを消滅または小さくする治療法です。1990年代以前の放射線治療は、副作用ばかりが目立つ治療法でした。しかし近年では技術進歩により、手術の代替療法となった領域も多く、副作用もかなり軽減されています。放射線治療は、身体を傷つけないため、臓器の形や機能、身体の見た目を害うリスクがほとんどありません。身体への負担も少ないので、高齢者の方や合併症などで手術を受けることが難しい方でも治療できることが多いです。副作用として、放射線が当たった皮膚に赤みや痒みがでる、照射した部位によっては下痢や疲労感を感じるなどの症状が出ることがあります。

手術と放射線治療のどちらが優れているということではなく、がんの種類や進行度による治療効果、患者様が何を優先されるかなどをよく検討し、納得がいくまで主治医と相談すること大切です。セカンドオピニオンを受けるのもよいでしょう。

生活の質を維持し、がんを治せる放射線治療

切らずに治し、臓器の機能や見た目を維持する

放射線治療は、身体を傷つけず、切らずにがんを治療することが可能です。機能障害が起きた場合に、日常生活に影響を与えるリスクの大きい部位では、機能を温存することができるメリットが大きいといえます。
従来の放射線療法では、正常組織にも多くの放射線が当たってしまうことから、がん腫瘍部分に多くの放射線を照射することが難しかったり、副作用が起きたりといったデメリットがありました。しかし、当院が行っている高精度放射線治療は、病巣を三次元で立体的にとらえ、正常組織への副作用を最小限にとどめながら効率的にがん細胞を攻撃していくため、副作用が少なく、より効果的な治療が可能です。

高精度放射線治療(IMRT)

■ 放射線治療が有効ながん種例
がん種 効果
前立腺がん 男性機能を温存し、尿道を傷つけない。尿漏れがない。
食道がん 治癒後の容貌変化、発声や咀嚼・嚥下機能などを温存
咽頭がん
乳がん 手術と併用することで乳房を温存(乳房温存療法)。
肺がん 呼吸機能が保たれる。

入院の必要がなく、仕事を続けながらの治療が可能

手術と迷われている方 放射線治療の場合、入院の必要はなく通院だけで治療ができるため、精神的・肉体的負担が少なく、仕事や家事を続けながらの治療が可能です。また、放射線が体内に残ることはありませんので、周囲への影響の心配もありません。

前立腺がんでは、排尿や性機能を阻害せず手術と同等の効果

膀胱と腎臓のイラスト
放射線治療の利点は、手術と比較して副作用が少なく、治療後のQOL(生活の質)を高く保てることにあります。特に、前立腺がんにおいて、手術では男性機能の喪失や尿道が傷つけられることで尿漏れ等が認められるようなことがありますが、IMRT(高精度放射線治療)ではそのようなリスクは手術に比べて低いです。
図1:外科療法と放射線治療比較表

また、I期・II期の前立腺がんに対しては、72グレイ以上(グレイ:放射線の量を表す単位)の線量が投与されれば、手術と同等かそれ以上の治療効果が期待できます。
図2:Kupelian PA, et al. JCO 2002
■図1:外科療法とIMRT(高精度放射線治療)比較表 ※前立腺がん治療の場合
この表は横にスライドしてご覧ください
開腹手術 腹腔鏡下手術 ダ・ヴィンチ
(ロボット)手術
IMRT
(高精度放射線治療)
施術時間 平均5時間 平均5時間 3-4時間 平均15分
(1回の治療につき)
入院期間
(社会復帰)
約3週間
(術前・術後含む)
約3週間
(術前・術後含む)
約1週間
(術前・術後含む)
入院不要
(通勤しながら治療が可能)
施術後の尿失禁 リスク有 リスク有 リスク有 ほぼ無
施術後の
勃起機能障害
リスク有 リスク有 リスク有 リスク低
痛みケアへの応用

Kupelian PA, et al. JCO 2002

がんによって起る症状(痛み・呼吸困難など)の緩和にも有効

放射線治療は、がん病巣の根治だけでなく、症状の緩和に対しても有効です。
緩和効果のある症状としては、

  • ①疼痛の緩和(骨転移、神経浸潤など)
  • ②止血(喀血、直腸出血など)
  • ③潰瘍・腫瘤病変の制御
  • ④狭窄・閉塞の改善(気道、食道など)
  • ⑤症状の原因となる腫瘍の縮小(脳転移、皮膚病変など)

などが挙げられます。

特に、骨転移による痛みの緩和には非常に有効で、転移したがん細胞を消失させ、破骨細胞の働きを抑え、痛みを緩和する効果が期待できます。

  • 納得できる治療法をお探しの方へ 当院では、がんと診断された方や治療中で新たな治療法をお探しの方に向けて、相談外来を開設しています。 こんな方は、是非ご相談を ■QOL(生活の質)を向上したい方 ■治療法がないと言われた方 ■化学療法の副作用がつらい方 ■長期間の入院が難しい方 ■見た目や臓器の機能を損ないたくない方 がん治療相談外来へ
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